お米騒動その後

理事のつぶやき【りじつぶ】です。

昨年からのお米騒動がまだ続いています。しかし状況は一転、今は米が余ってきています。備蓄米を放出したこと、輸入米が増えたこと、そして何より今年の米の生産が増えたことが理由として挙げられています。お米が余る、足りないとよく言いますが供給が二倍になるとか半分になるとか、そんな極端な話ではありません。農産物の過不足感というのは多くの場合、需要と供給のバランスの崩れが数%~10%程度の範囲で起きていることが多いです。それだけバランスは微妙ということです。野菜などは経験則として10%の不足で価格は二倍とよく言われます(逆も同じ)

お米をジャブジャブにする と発言したのは、前農林水産大臣ですが今まさにそのような状況になりつつあります(当の本人は他の大臣になってしまいましたが)
今の農林水産大臣は、需要に応じた生産にする との姿勢です。

お米の価格は株式相場のように日々大きくは変わりません。多くの消費者が余っているならたちまち値段が下がることを期待しているかと思いますが、年に一回しかとれないので大きく値が動くのもそのタイミングとなります。このあたり消費者と生産・流通関係者と大きく意識の開きがあるようで、この違いが原因でしばしば高い、安いの応酬になっているように見受けられます。

しかし、現実にお米が余り始めている今、徐々に価格は下がっていくものと思います。かといって以前のような価格では今度は米の生産者がガクンと減ってしまいますので、消費者、生産者ともに納得がいくような価格帯にどうソフトランディングさせようかと国は考えているように見えます。令和8~9年産米をその双方納得がいく価格帯に落ち着かせることができるのか。もしこれがうまくいかなければその後、令和10年、11年程度まではこの騒動が尾を引くかもしれません。

最悪の結果は生産者の多くが米の生産から撤退し生産量が激減。一部の高価格ブランド米が残り国民は平素は輸入米を食べるという二極化が進むことではないかと考えています。長年、冷害とかがなければ特に取りざたされることも無かった米の課題。価格だけではなく日本人は何を食べて行くのか?という考えも合わせてしっかり向き合う時期と感じます。

食育体験教室・コラボ 理事 亀垣

※この記事は一理事の個人的な見解となります。法人としての見解、意見ではありません。