長岡赤飯

【理事のつぶやきシリーズ】

河野です。

ついこの間、新しい年を迎えたばかりだと思っていたのに、気がついたら来週からは弥生3月。

入学、就職といったハレの日の食を食べる機会が多いという訳でもないでしょうが、春になるとなぜか私はお赤飯が食べたくなります。

でもそれは、多くの方々が「赤飯」と聞いて思い浮かべるささげの煮汁でほんのり紅色に染まったおこわではなく、金時豆が入った「醤油味の赤飯」です。

この醤油赤飯が、新潟県長岡市の郷土食だったなんて! 長岡を離れるまで知りませんでした。

母の故郷である長野県佐久市に遊びに行くと、いわゆる一般的な赤飯を出されました。

母は美味しそうに食べていましたが、私はなじめず、ほとんど手をつけられませんでした。

母は、子どもの頃から食べ親しんできた赤飯を封印し、父が生まれ育った長岡市民が愛する郷土の赤飯を一生作り続けました。

父が好きだったからか、いや、いつの間にか自分も醤油味の赤飯の方が好きになっていたからなのか……。

今となっては母に確かめる術はありませんが、おかげで私も赤飯といえば「長岡赤飯」一択の大人になりました。

地域によってさまざまな赤飯がありますが、『ハレの日の食』あるいは『厄除けや縁起直しの食』としての役割を担っているという点では共通です。

長岡赤飯はハレの日だけでなく、ケの日にもよく食べられていますが、母が亡くなってからは家で作る事はなくなっていました。

そこで一念発起、今年は自分で作ってみようと思い立ち、早速もち米を用意しました。

蒸したもち米に、醤油やみりんを合わせた醤油だれを混ぜ合わせ、醤油とみりんで煮た金時豆をのせて再度蒸して作るのですが、あいにく母が使っていたセイロは手元になくなってしまったので、炊飯器で炊くことにしました。

蒸かして作る赤飯には叶いませんが、味はそこそこかなぁ。

父もきっと喜んでくれるはずです。

でも、炊きたてがあまりに美味しくて、半分は私の胃袋に収まってしまったことは父には内緒。