たい肥と緑肥栽培

【理事のつぶやきシリーズ】

理事の亀垣です。

畑に蒔いたソルゴーが発芽してきました。ソルゴーはソルガムとも言い、その実が食用に使われ始めています。

しかし、今回種を蒔いたのは実を収穫するためではありません。

今回蒔いたソルゴーは二枚目の画像のように高さが2mを超えるくらい成長しますが、これは全部粉砕して土にすき込みます、土に有機物を補給するためです。有機物を土へ補給すると、土が柔らかくなり団粒構造が形成され、物理的特性や水はけ、水もちが良い優れた土となります。いわゆる「土づくり」にはこの有機物の補給が欠かせません。

土への有機物の補給というとたい肥の施用が一般的ですがその施用量は10アールあたり2トンとも3トンとも言われています。2haの作付けを行っていたとして必要なたい肥の量は40~60トン。たい肥を散布する機械が無ければとても散布は無理です。そしてその機械は非常に高価です。

そのため、我が家では代わりにソルゴーを育てて土にすき込むことによってたい肥の代わりとしています。このように育てて土にすき込む作物のことを緑肥作物と呼びます。

作物ですのでその生育には一定期間が必要で、農地の利用効率が落ちるという欠点があります。しかし地中深くまで根を張り一般的な作物が利用できない深さまでに浸透してしまった肥料成分を吸い上げて地表近くまで戻してくれたり、緑肥栽培を組み込むことで連作を防げるというメリットもあります。

昨今、酪農家の廃業などにともなってたい肥の原材料も手に入りにくくなりましたので、たい肥を製造販売する業者も減ってきています。そのような背景もあって、これからますますこの緑肥に注目する農業者が増えるのではないかと思います。